分離発注とは、建築会社やハウスメーカーなどに工事を一括して発注するのではなく、工事種別ごとに専門業者に直接発注し、工事を行う建築方法です。とは言っても、全ての工事種別ごとに発注するとなると膨大な業者と直接契約をする事になり、その手間も膨大となります。そこで、より専門性の高い下記工種毎に分離発注をするのが一般的です。             分離発注区分け例 ● 建築工事業者（基礎工事、大工工事、内装工事、塗装工事 etc...）   ● 空調衛生設備工事業者（水道設備工事、空調設備工事、換気設備工事 etc...）   ● 電気設備工事業者（電気設備工事、電話設備工事、各種配線工事 etc...）   ● 外構工事業者（造成工事、造園工事、外壁工事 etc...）               1 直接契約   第一のメリットは、施主と専門業者の間で契約が直接締結されることです。請負業者からみると施主が直接のお客様となる為、より強い意志の疎通が図れます。一括発注の場合、専門業者にとってのお客様は元請け業者である建築会社やハウスメーカーとなります。そのために「お客様第一主義」が履き違えられるケースも有りました。また、専門業者が様々な改善提案を出しても、元請け業者の専門知識の乏しさや、コスト削減第一主義によって、それが施主に伝わらないことも多くありました。施主にとって一番嬉しい「使い勝手(機能)の向上とコスト削減の両立改善提案」も同様でした。分離発注では、「お客様 ＝ 施主」となるため、直接提案をすることも可能ですし、お互いの気持ちも伝わりやすくなり、結果としてよりイメージに近い建物の建築が可能となります。     2 低コスト化   第二は、低コスト化が可能ということです。一括発注の場合、専門業者は元請け業者に提出する見積の中に「経費」を計上します。これは元請け業者との付き合いや受注にいたるまでの経費として必要なものです。しかし分離発注の場合、このコストは削減が可能となります。 また、分離発注では、専門業者が個々に見積を提出しますので、施主も金額を明確に把握することが可能です。無駄な経費を省き、コストを明確化して適正な価格とすることが低コスト化につながります。 一般的に一括発注と分離発注では3〜5%前後のコスト差が発生すると言われています。     3 施工業者の選択   第三は、信頼のおける、知り合いの業者に依頼することができることです。 大きな建築会社は知らないけど、昔からよくしてもらっている水道工事会社は知っている・・・という方も多いのではないでしょうか？ そういった場合、その水道工事会社に見積を出してもらい、折り合いがつけば依頼することも可能です。もちろん、工事自体に支障が出ない範囲で自分が参加することも可能です。               1 手間と時間の増加   契約業者が増える事により、契約等の事務手続きが増えます。また、打ち合わせ時間も増えますが、「よりイメージに近い建築物」を創るためにはとても有意義なことです。 また、これらの手間の部分を専門家である設計事務所に監理手数料を支払って補う方法も多くとられています。     2 工期   前述のとおり打ち合わせ時間の増加や改善工事の増加に伴い、工期短縮の効果は一括発注に比べあまり望めません。                 メリット・デメリットの両方がありますが、多くのメリットを考えると多少のデメリットは気にならない程度に思われます。より良い建物を、より適正なコストで建築するために・・・当社は「分離発注」をオススメします。また、監理を行う優良な設計事務所の紹介も可能です。疑問に思われる点、ご質問等ございましたら遠慮なくお問い合わせ下さい。